次も自信を持ってプレイするために

MLB(メジャーリーグ)で7年目のシーズンを終えた菊池雄星選手が、2025年からワシントン・ナショナルズと契約しMLBで初めてのシーズンを過ごした小笠原慎之介選手と対談。動画の冒頭で、日本のプロ野球を経てアメリカに渡った2人の投手が感じる日米の違いを話していた。

小笠原選手は「テクニックのことよりも、自分に自信を持って(プレイしろ)とよく言われる」と語る。日本ではダメな部分を指摘されるが、アメリカではずっと背中を押してくれるので、そこにギャップを感じたそうだ。これに対して菊池選手も「日本は失敗したら落ち込めっていう文化がある」と反応。試合で打たれた翌日に笑顔を見せると何で笑ってるの?と思われるとのこと。一方アメリカでは、落ち込んでいる姿を見せることが「ソフト(弱気)」だとしてネガティブに捉えられ、むしろ強がることが大事だと説く。同じプロの野球で、日米で全くと言っていいほど反対の価値観なのが面白い。

菊池選手が指摘する「文化」の違い。小さい頃から先生に悪いことをしたら反省しなさいと教えられる日本、過去は返ってこないから次に向けてどうするかに焦点を当てて前に進むアメリカ。私は、どちらが正しいかということではなく、それぞれの文化から学ぶことがあるなと感じる。

周りへの影響を考えて落ち込んだ様子を見せないという姿勢は尊い。でも次に進むべき方向が定まってもいないのに、ただ明るく振る舞うだけでは意味がない。かといって、静かに反省していますというポーズをとったとしても改善するはずはなく、誰にでも振り返って考える時間は必要だろう。

日本人はこの振り返りに「反省」という単語を使うが、いつも悪かった部分の振り返りだけで済ませていないだろうか。うまくいかなかったことを認めて次の手を考えるのに加えて、うまくいったこともあわせて振り返るのをお勧めしたい。何となくうまくいったことを放置するのがダメで、次もうまくできるように根拠を探っておくことがパフォーマンスの安定感につながると考えている。ポジティブ/ネガティブ両面から振り返ることで、次の試合に向けた目標が見えてくる。ここまで来ることができて初めて「切り替えができた」と言えるのではないか。

自信を持てと言われても、根拠のない自信を持つのは苦しい。日米のギャップを感じた小笠原選手は、昨シーズン中に何度も振り返ることで、次の試合に向かうための根拠を積み上げてきたはず。2026年は自信にあふれたピッチングに期待したい。