プロって何?(その1)
同じ会社に勤めるサトシとまきPが、スポーツ&キャリアデザインに関するテーマについて、語ります。

今回は、金曜日の夜、同僚からもらったプロ野球チケットで、野球観戦をしている2人の会話です。そこでは、「プロの意味」について、深堀りしています。

かっ飛ばせ!!

ビール片手に、野球観戦最高だ!

そうですね!仕事の疲れが吹っ飛びますね!

そうだね!

今打席に立ってる選手、テレビでも観たけど、昨年ホームラン王だった人でしょ?

この10年間で、ホームラン王4回取ってたかな?

じゃー、年俸もすごいんだろうね。プロ野球選手って、いくらもらってるのかな?

日本だったら、3〜5億円くらいじゃないかな?

いいなー。誰か嫁にもらってー!

おいおい、大声出すなよ〜。

ところで、プロ野球選手の「プロ」って、何かわかる?

「プロ」は、プロでしょ?お金もらって野球やってる人じゃないの?

そうだね。「プロ」は、「プロフェッショナル(=Professional)」の略でよく使われるね。あるキャリア専門家が、「プロフェッショナル」について、こんな感じで言ってるよ。
「プロフェッショナル」の語源は、ラテン語の「professus」に由来し、その意味は「公に宣言する、公言する」です。元々は、自らの信仰を神に告白し、その職務を世に表す聖職者を指す宗教用語でした。そこから「自分の専門分野の知識や技術を世に公言する人」という意味が生まれ、現代の専門職全般を指す言葉へと変化した。
※1

じゃ、プロ野球選手は、「野球という専門技術を使ってプレイし、稼ぎます!」って宣言するって感じかな?

そうかもね。私なんか、日本のドラフト会議で選ばれた、高校3年生のインタビューを見ていると、「プロとして、1軍に入ってまずは1勝できるように頑張ります!」って、宣言してるように見えちゃうね。それじゃー、「プロフェッショナル」の定義って何かな?

うーん、稼ぐ人?専門職?玄人?職人さん?こんなイメージだけど、定義ね・・・。

ある経営学者が、「プロフェッショナル」について、こんな感じで言ってるよ。
プロとは、他の人が知らない深い知識を活用して、成果をあげる人である。そのためには、プロは、学び続けなければならない。
プロフェッショナルのエッセンス
①目標とビジョンをもって行動する(失敗し続けたとしても、完全を求めていこう)
②神々が見ている(高い倫理観をもつ)
③一つのことに集中する(期間を定め、シングルタスクに集中する)
④定期的に検証と反省を行う(集中・改善・学ぶべきことは何か?優先順位を決める)
⑤新しい仕事が要求するものを考える(新しい挑戦・仕事・課題の重要なことを考え学ぶ)
⑥書きとめておく(自分の強み・改善・NGについて、現在地を知り、継続学習の要とする)
⑦何によって知られたいか(常に自問し、歳と共に変化し、その結果素晴らしい人になる)
⑧自らの強みを知る(自分の強み・仕事の仕方・自分の価値観からしか、成果はでない)
⑨時間を管理する(代替のない資源であることを意識し、何事も時間からスタートする)
⑩もっとも重要なことに集中せよ(勇気をもって、一度に一つに絞り、最も重要なことから始める)
※2

なんか、イチローのことを言っているみたい。

イメージはそうかもね。偉大な選手達に、当てはまるかもね。でも、この経営学者は、スポーツ選手のことだけを、言ってたのではないんだよね。実は、世の中で働く、全ての人のことを言ってるだよね。

えー、スポーツ選手のことだけじゃないの⁉︎びっくりだね。

そうなんだよね。しかも、個人事業主やフリーランスといった、自営業の方だけでなく、私達サラリーマンも当てはまるんだよね。

へー。私達もなんだ。
カキーン!(ファウルボールが、こっちに飛んでくる)

あ、危ないっ!

キャーッチ!凄いでしょ!昔、少しソフトボールやってたのよ、私。

何者だ?素手で取りやがった(^_^;)
登場人物紹介
サトシ:50歳のオッサン、学生時代まで、野球やバスケットボールをしていたが、ケガでリタイアをした。現在、普通のサラリーマン。
まきP:永遠の20歳⁉︎都内で企業に勤務。スポーツをあまりした経験はないが、カラダを動かすことが好き。趣味はスポーツ観戦。
※1:大久保幸夫,キャリアデザイン入門Ⅱ 専門力編,日経B P,2016
※2:P.F.ドラッカー,プロフェッショナルの条件,ダイヤモンド社,2000
以上