プロって何?(その2)

同じ会社に勤めるサトシとまきPが、スポーツ&キャリアデザインに関するテーマについて、語ります。

今回は、前回に続き、野球観戦での2人の会話です。「プロフェッショナル」の位置付けから、「プロの意味」について、更に深堀りしています。

サトシ

ファウルボール、よく取ったね。

まきP

すごいでしょ!

サトシ

えっと、何の話してたっけ?

まきP

「プロ」の定義でしょ?

サトシ

あ、そうそう、「プロ」の定義ね。ちなみに、「プロフェッショナル」と似たような言葉って、何かわかるかな?

まきP

うーん、何だろう・・・、あ、スペシャリストとか?玄人とか?

サトシ

そうだね。似たような言葉って、他にも色々あるけど、例えば、エキスパートとかジェネラリストとか。

まきP

確かに!

サトシ

細かいことは別として、「プロフェッショナル」は、働き方特定の専門性という軸の中にあるんだよ。しかも、経験値も高めでね。似たような言葉のエキスパートスペシャリストは、(働き方に関係なく)特定の専門性の高いスキルを持っている人だから、少し意味合いが違ってくるかもね。

まきP

確かに、何かスキル系の資格でも、○○エキスパートとか、○○スペシャリストとか、ランク分けされてるね。

サトシ

ジェネラリストは、スキル分野の中でも、どちらかといえば、全般的な意味合いが強いかもね。

まきP

そうかも。

サトシ

昔、ジャイアンツに、川相昌弘って選手がいたんだけと、バントがめっちゃ上手くて、『バントのスペシャリスト』とか、『バント職人』って言われてたんだよね。

まきP

あ、知っている!相手チームの選手も「バントしてくる」って知ってても、バント成功させちゃうんだよね。『プロ野球選手のバントスペシャリスト!』

サトシ

まさに、そうだね。スポーツの世界だと、「プロフェッショナル」スペシャリストとの関係がイメージしやすいね。でも、サラリーマンの世界でも、特に日本では、メンバーシップ型からジョブ型へ、働き方がシフトしているので、「企業内プロフェッショナル」って言われる、人事制度を整備する企業もあるんだよね。

※3

まきP

へー、そうなんだ。

サトシ

でね、スポーツの世界だけでなく、私たちのようなサラリーマンの人でも、「プロフェッショナル」と言える人もいると思うんだよね。

まきP

いるね!職人さんって感じの人いるいる!

サトシ

私が考えるプロの定義は、こんな感じなんだ。

プロとは、身に付けた専門的な知識と技術をベースに、経験を重ねながら、成果をあげる人。そのためには、プロは、常に学び続けなければならない

プロフェッショナルの5つの条件

①自分の将来像を描くこと

②高い倫理観を持ってやり続けること

成果(個人・社会)のために、自分の強みを理解し、発揮し続けること

④優先順位をつけて、時間をコントロールできること

⑤成果のために、PDCAを回し続けること

まきP

経験を重ねながら、成果をあげる人か・・・。

サトシ

経営学者の定義を要約した感じになっちゃうんだけど、「専門性」「経験」「成果」「学び」「継続」といった言葉は、外せないかな。ただ、1つ強調したいことと言ったら、失敗や大変なことはあるかと思うんだけど、そういった積み重ねをしながら、自分のための成果だけでなく、社会のための成果を目指すことが、大事だと思うんだよね。

まきP

確かに!

カキーン!

(ファウルボールが、またこっちに飛んでくる)

サトシ

あ、危ない!

まきP

キャーッチ!これで2回目!ある意味、私プロなのかな?

サトシ

いや、ファウルボールキャッチのスペシャリストだよ(笑)

登場人物紹介
サトシ:50歳のオッサン、学生時代まで、野球やバスケットボールをしていたが、ケガでリタイアをした。現在、普通のサラリーマン。
まきP:永遠の20歳⁉︎都内で企業に勤務。スポーツをあまりした経験はないが、カラダを動かすことが好き。趣味はスポーツ観戦。

※1:大久保幸夫,キャリアデザイン入門Ⅱ 専門力編,日経B P,2016

※2:P.F.ドラッカー,プロフェッショナルの条件,ダイヤモンド社,2000

※3:亀島哲,JILPT資料シリーズNo.178企業内プロフェッショナルのキャリア形成,独立行政法人 労働政策研究・研修機構,2016

以上